足首の捻挫予防に効果的な12のトレーニング
こんにちは!
コンディショニング&トレーニングコーチの森川です。
ラクロスを含め、フィールドスポーツで1番多いのが「足首の捻挫」みなさんも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
日本の練習環境だと、まだまだ土のグラウンドが多く、雨が降った翌日に、凸凹なグラウンドで捻挫をしたり、急に人工芝で試合をして、捻挫をする選手が多くいます。
「明日が大事な試合」というときに、捻挫で出場機会を失ってしまわぬよう、今回は「足首(足関節)の捻挫予防」のためのトレーニングをご紹介します。
目次
1.足関節捻挫とは?
足関節捻挫は外力が加わることにより、関節を支えている靭帯や関節包、軟骨が損傷する状態のことです。
足関節は外反(つま先を外側に捻る)より、内反(内側に捻る)の可動性が高いため、大半が内反捻挫であり、急激に前距腓靭帯や後距腓靭帯を伸ばしたり断裂する状態が引き起こされます。一方、外反捻挫は内側の三角靭帯などが伸ばされたり断裂する状態です。(※より詳しく知りたい方は、解剖学のテキストをご参照ください)
2.足首の捻挫予防トレーニング
足関節捻挫の予防には足首まわりの筋肉を鍛えることが重要ですが、足裏のアーチや、足趾の筋力、可動性も向上させる必要があります。さらに、足関節の背屈(つま先を脛に近付ける)動作に制限がかかってしまうことで、内反や外反動作が起こりやすくなるため、背屈動作の可動域を広げることも重要です。
●足裏のアーチを作る
●足趾の筋力、可動性を高める
●足関節背屈の可動性を高める
●バランス能力を鍛える
●脚全体で衝撃をコントロールする
この5つの要素を高めるために効果的なエクササイズをご紹介します。
2ー1.アーチロール
【やり方】
①立った状態で足裏にボールをセットする
②足裏でボールを前後に転がす
【ポイント】
・トレーニング後、足裏の接地面積が広がっているか確認する
・ボールはテニスボールか痛みに強ければゴルフボールでも可
【効果】
・足底の筋肉を柔らかくすることで、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×2set(左右)
2ー2.足趾ひらき
【やり方】
①椅子に座って、足の裏を床につける
②足の親指から小指までしっかり横に広げて指先で床を押す
【ポイント】
・指を丸めずに指の腹で床を押すように力を入れる
【効果】
・指を広げる筋肉を動かすことで、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×2set(左右)
2ー3.グーチョキパー
【やり方】
①椅子に座って、かかとを床につく
②指を丸めてグー、親指を上下に動かしてチョキ、指全体を横に広げてパーをつくる
【ポイント】
・指を大きく動かす
【効果】
・指を動かす筋肉を使うことで、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・5回×2set(左右)
2ー4.アンクルモビリティー
【やり方】
①片膝立ちになり、前方の足関節を両手で持つ
②足裏や膝が浮かないように、前後に重心を移動させる
【ポイント】
・前脚の膝とつま先を正面に向ける
・背中が丸まらないように行う
【効果】
・足関節の背屈可動域を広げることにより、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×1set(左右)
2ー5.ふくらはぎのストレッチ
【やり方】
①手脚を地面に着き、お尻を持ち上げる
②踵を床につけたまま、片脚を持ち上げる
③膝を伸ばしたまま、脚を上下に動かす
【ポイント】
・身体が開かないように行う
・背中が丸まったり、腰がそったりしないように注意
【効果】
・足関節の背屈可動域を広げることにより、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・5回×2set(左右)
2ー6.カーフレイズ
【やり方】
①立って壁に手をつき、背筋を伸ばす
②ゆっくりとかかとを上げ下げする
【ポイント】
・体がぶれないようにしっかり壁に手をついて安定させる
【効果】
・ふくらはぎの筋肉を強化することにより、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×2set
2ー7.サイドブリッジ
【やり方】
①肩の真下に肘が来るようにして、体を持ち上げる
②手を真上に上げ、右脚を最大限に持ち上げる
③目線は正面にし、頭から膝まで一直線になるように保つ
【ポイント】
・体がくの字にならないよう注意
・腰がそらないように注意
【効果】
・お尻の横の筋肉を鍛えることにより、下半身が安定し、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・15秒×2set(左右)
2ー8.シングルレッグ・ルーマニアンデッドリフト
【やり方】
①片足立ちの姿勢をつくり、軽く膝を曲げる
②反対脚の踵から頭まで、一直線になるように保ち体を倒す
③床と平行な位置まで倒れたら、ゆっくりと元の位置に戻る
【ポイント】
・膝が内側に入らないように注意
・背中が丸まらないように行う
【効果】
・片脚でのバランス能力を高めることにより、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×2set(左右)
2ー9.チューブウォーク
【やり方】
①膝上にチューブを巻き、足を腰幅に開く
②つま先と膝を正面に向けて腰を落とす
③小さい歩幅で一歩ずつ横に移動する
④お尻の筋肉を使う意識で行う
【ポイント】
・足幅が大きくならないように注意
・頭の高さが変わらないように行う
【効果】
・お尻の横の筋肉を鍛えることにより、下半身が安定し、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10歩×2往復
2ー10.フロントランジ
【やり方】
①足を腰幅に開き、膝とつま先を正面に向ける
②片脚を前に踏み出し、その脚でスクワット姿勢を作る
③前脚のももが床と45度まで落とし、元の位置に戻す
【ポイント】
・膝が内側に入らないように注意
・膝がつま先より前に出すぎないように行う
【効果】
・着地動作を鍛えることにより、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×2set(左右)
2ー11.ラテラルランジ
【やり方】
①足を腰幅に開き、膝とつま先を正面に向ける
②片脚を横に踏み出し、その脚でスクワット姿勢を作る
③前脚のももが床と45度まで落とし、元の位置に戻す
【ポイント】
・膝が内側に入らないように注意
・膝がつま先より前に出すぎないように行う
【効果】
・着地動作を鍛えることにより、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×2set(左右)
2ー12.スケータージャンプ
【やり方】
①股関節を軽く曲げた姿勢で片脚立ちになる
②反対側に跳んでもう一方の脚で着地し、左右交互に跳ぶ
【ポイント】
・膝が内側に入らないように注意
・背中が丸まらないように行う
【効果】
・着地動作を鍛えることにより、足首の捻挫予防に効果あり
【セット数】
・10回×2set(左右交互)
3.まとめ
今回は足首の捻挫予防に効果的なトレーニングをご紹介しました。
捻挫は酷いものだと靭帯を部分的に断裂してしまうこともあります。その状態だと、たとえ腫れが引いて痛みが無くなったとしても不安定な状態が続き、繰り返し捻挫を引き起こしてしまいます。初めての捻挫、そして繰り返しの捻挫を防ぐためにも、予防エクササイズをウォーミングアップや日々のトレーニングに取り入れていきましょう!
【参考文献】
・National Athletic Trainers’Association Position Statement
大変参考になりました。 高齢者仲間で体操教室をやっています。
捻挫予防に、無理しない範囲で真似 させていただきます。