【活動報告】ラクロス女子世界選手権 メディカルスタッフ活動レポート

先日、日本で開催された「ラクロス女子世界選手権」にて、メディカルスタッフの一員として大会のサポートをさせていただきました。
予選リーグと最終日の3位決定戦、そして熱気溢れる決勝戦まで、最前線で選手たちの安全とパフォーマンスを見守るという、非常に濃密な時間を過ごしてきました。
今回は、この国際大会という大きな舞台で得た「現場のリアル」と、そこからの学びについてシェアしたいと思います。
目次
1.チームスタッフからホスト国への視点の変化
今回このような素晴らしい機会をいただけたのは、昨年、私がS&Cコーチとして帯同した「ラクロス男子U20日本代表」でご一緒した一原さんのおかげです。今大会のメディカルディレクターを務められた一原さんにお声がけいただき、この経験を得ることができました。この場を借りて、改めて深く感謝申し上げます。
昨年は「日本代表チームのスタッフ」として世界大会を経験しましたが、今回は「ホスト国(大会運営側)」としての参加です。立場が変われば、見えてくる景色も全く異なります。
各国のチームが開催国に対してどのようなメディカルサポートを求めているのか。そして、安全かつスムーズな大会運営のために、メディカルチームが裏側でどれほど緻密なシミュレーションと準備を行っているのか。表舞台の華やかさを支える「裏側のプロフェッショナルな仕事」を間近で体感できたことは、私自身のキャリアにおいても非常に大きな財産となりました。
2.国際基準のスポーツ医学に触れる
大会期間中は、各分野のスペシャリストの先生方と緊密に連携し、まさに最先端のスポーツ医学を現場で実践する現場でした。特に印象深かったのは以下の3点です。
2−1.試合に関わるメディカルスタッフとの連携
日本のラクロスの公式戦でも取り入れられるようになってきましたが、国際大会では試合開始前に、チームと大会運営側のメディカルスタッフによるミーティングが実施されます。
そこで話し合われるのは、試合中の水分補給のためのタイムアウトの有無や、重篤なケガをした選手が出た際にチームトレーナーがどのように担架や救急スタッフを要請するかなどです。
本大会でもケガをする選手が出てしまいましたが、こういった事前の擦り合わせがあったことで、応急処置が速やかに行われ、大事に至るケースが1つもなく大会を終えることができました。
2−2.危険な熱中症を起こさないための予防と対策
日本の過酷な夏場の環境下において、選手の命を守るための対策は必須です。単なる水分補給にとどまらず、WBGTを常にモニタリングし、アイスバスの準備や迅速な体温冷却のプロトコルなど、徹底したリスク管理を学びました。
また危険な環境下になる危険性がある場合には、事前に大会本部に提案をし、試合時間を変更するなど専門家としてどのように意見を伝えることで、選手の安全を守ることができるのかも学ぶことができました。
2−3.脳震盪に対する厳格な管理
世界のスポーツ界で最も重要視されているテーマの一つです。接触の多いラクロスにおいて、少しでも疑いがある場合の迅速な対応と、選手を危険から守るための揺るぎない基準の重要性を再認識しました。
これらは全て、教科書を読めば知識として知ることはできます。しかし、プレッシャーのかかる実際の試合環境でどう運用されるのかは、現場に立たなければ絶対に分かりません。
3.「机上の空論」ではなく「現場」から学ぶ
研究データや理論はもちろん重要ですが、それが実際のフィールドで、目の前のアスリートの動きや安全にどう直結するのか。それを翻訳し、実践できるのが専門家だと考えています。
今回の世界選手権で各分野のトッププロフェッショナルたちから吸収した生きた知識と経験は、私が日々サポートしている野球、サッカー、ラクロスなどのフィールド競技のアスリートたちへ、さらに高いレベルで還元していくための大きな原動力になります。
怪我を防ぎ、そして勝つための身体を作る。
そのために、私自身が誰よりも現場で学び、アップデートし続ける指導者でありたいと強く感じた大会でした。
最後になりますが、一原さんをはじめ、大会を通じて関わってくださった全てのメディカルスタッフ、関係者の皆様、本当にありがとうございました。
この熱量を持ったまま、これからもアスリートのパフォーマンスアップに全力で向き合っていきます!

